【群馬】洞窟観音 ーひんやりした洞窟で静かに観る観音像ー
夏場の国内旅行は行き先に悩む
夏が大好きな私ですが、さすがにここ最近の40℃にせまる気温には辟易しています。
夏は日が長いし、気持ちも外向きになるので、旅行を楽しみやすい季節だと思うのですが、この暑さを考えると、躊躇してしまう。
車移動だったらまだいいのでしょうけど、公共交通機関と徒歩を駆使せねばならない身としては、暑さはやっぱり気になる。
そこで、暑い時期でもなんとか行く気になるところはあるだろうか、と考えていたら、以前行った洞窟観音を思い出しました。
洞窟内の気温は確か17℃くらいで、とても気持ちが良かったのを覚えています。
涼みながら石仏を観られるので、夏の仏像鑑賞におすすめです。
(来訪したのは2016年9月ですので、最新の情報は公式HPなどでご確認ください)
洞窟観音へ
高崎駅前からバス(ぐるりん観音山線)に乗車、20分弱で「洞窟観音入口」という停留所で降車。
この坂を上がると見えてきます。
なお、洞窟観音のほかに、徳明園・山徳記念館も同じ敷地内にあります。
まず、洞窟観音について。
高崎田町の呉服商として財を成した故山田徳蔵が、人々がともに楽しめる霊場、楽天地を建設しようと決意。大正8年着工、昭和39年、翁が88才の生涯を閉じる迄、私財を投じての50年間、たゆむことなく工事が進められました。
(入園券より引用)
簡単にまとめると、高崎のお金持ちが(趣味で)造った施設、というわけ。
受付で800円を支払い、いざ洞窟観音へ。
入った途端、涼しい~。
外が暑いぶん、とても気持ちがよかったです。
しっとりした空気も洞窟ならでは。
遠くのほうで話し声が聞こえる程度で、ほとんど人もいません。
このような感じで、かなり奥のほうまで通路が続いています。
写真では明るい感じですが、実際はけっこう暗くてドキドキしたのを覚えています(小心者)。
そして、数メートルおきに現れる石仏!
広い空間に仏像やら塔が林立しているところもあります。
写真の撮り方でちょっと怖い感じになってしまいましたが……ライトアップされてますし、実際は怖くないのでご安心を。
奥へ進むほど、見ごたえもアップするのですが、写真が下手ですね(汗)。
洞窟はけっこう長く、見ごたえがありました。
出口のところに「蜂に注意」という看板が出ていたような記憶があります。
九月中旬でしたので、確かに蜂の出やすい時期。
蜂が飛んでいる姿を遠目に見かけたような気がするだけで、実際には遭遇しませんでしたが、念のため黒い服装は避けておくと無難かもしれません(夏~秋)。
徳明園
洞窟観音と同時に造られた庭園です。
洞窟観音の入園券で庭園も見学可能ですので、歩いてみました。
なかなか個性的な庭園ですね。
私はこういう感じ、嫌いじゃないです。
山徳記念館
庭園の先に大きなお屋敷もあります。
ここを造った山田徳蔵さんが住んでいたお宅を改築し、今は漫画記念館となっています。
歴代首相の似顔絵とか、のらくろ(弟子が描いたもの含む)とか、意外とおもしろかったです。
防空壕(的なもの?)もちらっと見ました。
縁側に座ってくつろいでいる方もいましたので、休憩も可能なのではないかな、と思います。
時間がない場合や暑い日は、洞窟観音だけでも十分満足かなと思います。
帰りのバスの時間は絶対に調べておくべし
ここから再びバス(ぐるりん観音山線)で山頂の高崎観音に向かおうとしたのですが、時刻をきちんと調べていなかったため、次のバスまで一時間以上あるという状況に陥りました……(高崎方面に帰る場合でも本数は少ないので、要事前調査)。
再入場するのも気が引けるし(再入場が可能か不明)、しかしバス停で一時間待ちぼうけというのもきつい。
仕方なく、山頂に向けてぼちぼち歩いてみることにしました。
が、決しておすすめできません。
夏場は危険です。
詳細はつづきをどうぞ。
shishi-report03.hatenablog.com
【大阪】石切神社とその参道 - 由緒ある神社の不思議な参道で占いに挑戦してみた
石切神社参道を知ったわけ
もう廃刊になってしまいましたが、かつて『ワンダーJAPAN』という雑誌がありました。
主にB級スポットや廃虚などを取材した雑誌です。
「趣味が悪い」と言われてしまうこともあるのですが、私、B級スポットも廃虚も結構好きなほうでして。
不思議でヘンテコで、ちょっと笑える、そんな場所に魅かれてしまう。
※ただし、廃墟は、怖いし、危ないし、不法侵入になってしまうので、実際に訪れることはしません。だからこそ、雑誌で眺めるのが楽しみ、というわけです。
その『ワンダーJAPAN』の総括的な位置づけにあたるのが『ワンダーJAPAN エリア別ワンダースポット300』という本。『ワンダーJAPAN』で紹介された異空間のうち、300か所が厳選されたものです。
ちなみに800か所バージョンもあります。
ワンダーJAPAN エリア別ワンダースポット300 (三才ムック VOL. 206)
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2008/08/02
- メディア: 大型本
- 購入: 2人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
こちらのワンダースポット300の中に石切神社の参道が載っていたので、奈良を訪ねるついでに行ってみることにしました。
※来訪日は2016年4月ですので、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
石切駅前からすでに不思議
近鉄奈良駅から近鉄奈良線で20分くらいで石切駅に到着。
平日の午前九時過ぎでしたのでほとんど誰も降りず。
駅前も静かです。
さっそく鳥居が迎えてくれます。
ようこそ石切さんへ、と書かれています。
道路脇に灯篭?でしょうか。
すでに非日常感がぷんぷんします。
少し歩くとまた「ようこそ石切へ」と。
駅から少し(20分程度だったかと)歩くのですが、何度も歓迎してくれるので飽きません。道が合っていることもわかるので、ありがたいです。
提灯にお店の名前が書かれていますし、ここから石切参道商店街が始まるようです。
まだお店は少ない感じですが。
石切参道商店街に入ってわりとすぐ、石切大仏が!
なんでしょう、この感じ。
大仏様はじめ諸方面に対する失礼を承知で……どことなく醸し出されるB級感!
石切の地発祥の漢方屋さん(サカンポー)の四代目当主が建立されたそう(1980年)。
大仏を通り過ぎて進むと、これまた不思議な雰囲気が漂い始めます。
こちらは占いのお店のようです。
気になりますが、とりあえず先を急ぎます。
ちょっとホッとする感じになってきました。
まだ午前十時前でしたので、まだ閉まっているお店もありました。商店街を存分に楽しみたいならもう少し遅い時間帯(昼前とか)がベストかもしれません。
さらに進むとこんな感じ。
左側に映っているのは「石切大天狗」なるもの。
どうやらこちらの石切大天狗も、先の石切大仏と関わりがありそう。
同じ方が造ったようです。
入れませんでしたし、入る勇気もない私です。
いやはや、濃い。
と思っているうちに石切参道商店街は終わり。
商店街を抜けると、右手が石切劔箭神社となります。
石切劔箭神社
ここにたどり着くまでの道程があまりにも濃かったので、さぞかしヘンテコな神社なのではないか、と思いきや、きちんとした(由緒ある)神社です。
古くから「でんぼの神さん」と知られ、腫れ物などを治してくださる神様として有名なのだそう。
まず視界に飛び込んでくるのは、百度石なる二本の石柱の周りをぐるぐると回る人々。
十数人はいらっしゃったかと。
光景自体はなんだか不思議なのですが、もくもくと歩く人々の表情が至極真剣なため、「あ、おお、なるほど、何か願掛けをしておられるのね」と理解したのでした。
お百度参りとは本殿前でお参りして入口に戻り再び本殿前でお参りすることを百回繰り返すことです。お百度を踏むとも申しますが、これは決して強制されるものではありません。
百回でなくとも、ご自分でお決めになられた回数で結構です。大切なのは神様に願いが届くよう一心にお参りすることです。ご参拝いただければ、その熱心な様子に胸を打たれるでしょう。
(石切劔箭神社HPより)
まさにその熱心さに圧倒され、写真を撮るどころではありませんでした(というか、たとえ遠くからでも、撮るのはなんだか不謹慎な気がしてやめました。腫れ物の神様ということですから、重篤な病(ガンとか)の方、その家族の方などが、切迫さをもってお参りしているかもしれないので)。
健康であることに感謝しつつお参りを終え、おみくじをひいて、神社をあとにしました。
差し支えなさそうなところだけ撮影。
こちらの絵馬殿の屋根の上にはつるぎが掲げてあるらしい(後になって知りました)。
占いに初挑戦
石切神社へのお参りも済ませたので、駅方面に向けて参道商店街を戻ります。
石切神社参道の名物といったら占い。
占いを鵜呑みにするタイプではないのですが、せっかくここまで来たのだから、やってみたい、とうずく好奇心。
しかし、いざやってみようとすると、意外と勇気が要りました(石橋を叩いて結局渡らないタイプです)。
占い=胡散臭い、ぼったくり
といった価値観を理性が差し出してくるものですから。
まぁ、冷静に考えれば理性がそう言うものごもっともなのです。
お金の無駄になる可能性が高い。
でも、すぐに来れる場所じゃないし、この機会にやらなかったら、ずっと後悔するかもなー、と思い、好奇心のほうを優先することにしました(占い代を捨てるを覚悟で)。
どの占いにしよう、と思いながら参道商店街を行ったり来たり。
占いの看板を掲げているお店はたくさんあるのですが、時間帯が早いせいか、閉まっているところが多かったです。
開店していて、かつ、占い師さんの姿が見えるお店は二、三軒だったと思います。
その中からなんとなく自分に合いそうなところに勇気を出して入ってみました(手相占い500円と書かれていて、500円ならいいかと思ったのが正直大きいかも)。
記憶が曖昧なのですが、豊八(大黒殿じゃないほう)さんだったと思います。どうやらここは、オーナーさんが占い師さんにブースを貸すスタイルのようです。どんな占い師さんがいらっしゃるかはその日によって違うのかもしれません。
手相占い
手相を見てくれたのは50代くらいのシュッとした女性の方。
手を組んでみて、上にきた方の手の平を見てくれます。
けっこうじっくり観てくださいました。
当たってるなぁ、と思うことも多々あり。
ただ、「当たってる」と思うということは、自覚があるということ。
ですので、新しい情報が得られる、という感じよりは「そうなんです、私!」と自分について再確認する、みたいな感じかと。
もちろん今後のこともある程度教えてもらえます。
生命線が長いので平均寿命は十分いける、とか。
○○歳くらいで環境などが変わるかも、とか。
いずれにせよ、こちらを気遣って、希望のある伝えかたをしてくださいます。
それでちょっと楽しくなってきてしまって、四柱推命(こちらは三千円)なる占いも追加してしまいました。
※勧誘されたわけでなく、自発的に、です。
まんまと商戦にハマっていますね……面白かったのでいいですけど。
向こうからおすすめされることはなかったので、手相だけで終わらせるのももちろん可能です。
四柱推命
手相はわりと身近ですが、四柱推命なる占いは初めてでした。
生年月日と名前、電話番号を記入します(電話番号を書くとき少しビビりましたが、勧誘の電話などはその後一切ありませんでした)。
最初に概要というか、どんなタイプかとか、転機の訪れる年とか、全体的な運気の流れなどを教えてもらえます。
過去の出来事と比較すると、まぁまぁ当たっているかなーという感じでした。
その後、各年の詳しい内容にうつります。
今年はこんな年、来年は……、○○に注意、と具体的です。
婚期なども平成○年~○年といった感じで。
私の場合、手相で観てもらったことと、四柱推命の結果がかなりリンクしていたので、それなりに納得感はありました。
先述したように、希望の持てる言い方をしてくれるので、未来が少し楽しみになります(私は好奇心からでしたが、とても悩んだ末に占いに来られる方も多いと思うので、希望を持たせるのがマナーなのでしょうね)。
それなりにお金を使いました(合計3500円)が、私は楽しかったので、占いに挑戦してみてよかったです。
好奇心は満たされ、聞きたいことは大体聞けたので、変にハマってしまうようなこともなく。
健全な占い体験でした!
おわりに
※来訪日は2016年4月ですので、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
2018年現在、来訪から二年以上が経過していますが、今思い出しても楽しい経験でした。
行ってよかった!
ちなみに、大阪出身の友人は石切劔箭神社に初詣に行ったことがあるらしく、その時期は大変な混雑だそう。
「ちゃんとした神社なのに、参道がアレやな」
とも言っていました。笑
【上野】エッシャー展 ―絵の中の住人になれるデジタルフュージョンがおもしろい
ミラクルエッシャー展
2018年6月6日~7月29日まで上野の森美術館で開催中の「ミラクルエッシャー展」、観てきました。
一般当日券(1600円)を購入し、入館。
こ、混んでる。
経験上、美術展というものは、会期終了間際になればなるほど混雑します。
訪れた日は6月中旬の平日午後、会期の折り返し地点にさしかかるかどうかくらいのところでしたので、まだまだ余裕だろうと思いきや、けっこう混雑していました。
展示室に入る段階で、すでにちょっとした列ができている。
並んでいるのはどうやら、近くでじっくり観たい派の方々の模様。
確かに、エッシャーの絵って、あちこちにトリックが仕掛けられているので、近くで観るに越したことはない。
ですが、この調子だと時間が……。
順番通りに一枚一枚じっくり観たい、というのでなければ、少し後方から眺めるのがストレスが少ないかもしれません。
また、入口付近は混雑していますが、少し進むと空いてきますので、空いているところから観るという手もありです。
こんなに絵の巧い人だとは
エッシャーの絵は、奇抜な発想というイメージが強いですが、そもそも絵が異常に巧い人なんだということを実感しました。
写真かよ!と思うほどの写実性を発揮している絵も。
確固たる技術、それがあった上での発想力なのだな、と凡人はしみじみするのでした。
一番印象に残っている絵は『終わらないひも』です。
エッシャーと奥さんの輪切りにされた頭部がリボン状のひもで表現されているのですが、「よくこんなこと思いつくな……」と茫然としました。
エッシャーと奥さんの肖像に破綻がないのはもちろん、タイトルの通り、リボン状のひもが終わらない(端がみつけられない)のです。
他にも美術の教科書に載っていた『滝』など、「エッシャーといえばこれ!」という絵も観られて、終始「ははぁ」とか「ほほう」と感嘆の声を上げるのでした。
デジタルフュージョンは楽しかった!
グッズ売り場を出ると(グッズについては後述します)、左手にスペースがあって、そこでミラクルデジタルフュージョンなるものを体験できます。
簡単にいうと、エッシャーの『相対性』という絵の中に入れるのです。
体験ブースの指定場所で撮った動画が『相対性』という絵に合成されるしくみ。
『相対性』の中の人間(絵)も動くようになっていて、彼らと一緒に不思議な館内の階段を上がったり下りたりできる!
なかなか新鮮でした。
合成された動画はその場で撮影できますし、QRコード経由でダウンロードすることも可能です。
ちなみに。
これ、一人で挑戦するのは少々恥ずかしいかもしれません(私は開き直って楽しみましたが…)。
一応、二人で撮ることを想定しているらしく、立ち位置が二か所設定されています。
並んでいる顔ぶれとしても、カップルが多かったです。
結構待つ可能性が高いですし(私は10分ほど並びました)、気が乗らない方は、スルーしてそのまま出口に向かうことをおすすめします。
ショップは大混雑
少しスペースが狭いこともあり、ショップは大混雑。
通路にもみっしり人、人、人。
全く自由に動けません(6月中旬であの混雑具合、終了間際は大丈夫なんだろうかと要らぬ心配をしてしまいます)。
それでも粘って、ひととおりグッズを見ました。
図録を買おうか迷った挙句、結局ポストカードブックにしました(図録って重いしスペースをとるんですよね……)。
なお、このポストカードブックは、本展オリジナルではなく、青幻舎というところが出しているもののようです。
もちろん、バラ売りのポストカードもあります。
私はなるべくたくさんの絵を見直したかったので、ブックタイプにしました。
アマゾンなどでも購入可能ですので、買いそびれた方はご参考まで。
中身はこんな感じです。
他にもチョコレートやらトートバッグやらクリアファイルなど、魅力的な品々が。
mozuさんという方とのコラボノートが話題のようで、購入されている方が多かったです。
(ちなみに、mozuさんコラボノートは東急ハンズにもありました(7月初旬時点))
おわりに
上野での開催は7月末までなので、これからますます混雑することが予想されます。
興味のある方はなるべく早めに行かれることをオススメします。
大阪、愛媛、福岡と巡回予定のようです。
【上野】東京国立博物館 - 「教科書で見たことあるかも」近代美術なら本館18室
トーハク本館18室
美術に興味があるほうだけど、あくまでなんとなく。
そんな私でも楽しめるのは東京国立博物館(トーハク)本館18室・近代美術のコーナーです。
美術の教科書に載っているような名品が展示されているので、「あ! これ見たことある(教科書で)」となります。
(展示リストはこちらから確認できます。)
抱いていたイメージと本物を比較することで「やっぱり本物はちがうなぁ」、「教科書ではなんとも思わなかったけれど、実物だと異常に巧く感じる」とか、思うところがあって楽しいです。
(仕事などに直結しなくても、こうして楽しめることを考えると、学校の授業って役に立つものですね。一応真面目にやっておいてよかった)
さて、先日訪れたときに心を打たれたものたちの写真です(撮影禁止マークがあるもの以外は撮影可)。
いやはや、才能が染み出ています。
高村光雲の彫った仁王像(善光寺仁王門・原型は史料館)も観たことがありますが、そちらよりもこの老猿の方が好きかも。
続いては龍頭観音像。
佐藤朝山(1888~1963)作。
雲とか衣のたなびき方が幻想的で、躍動感があります。
色合いも好きです。
この佐藤朝山さんという方、山崎朝雲さんに師事していたそうなのですが、コンペの際に他の人を推した師匠に激怒して、師弟関係を解消。
後に佐藤玄々と名乗ることに。
才能があったらあったでいろいろ大変なのでしょうね…。
今調べて知りましたが、日本橋三越の彫刻(天女)もこの方の作品のようです。
日本橋三越、目の前を通ることはあれど、入ったことはないので、次は絶対寄ろうと思うのでした。
最後にこちら。
頼光大江山入図大花瓶です。横山孝茂・横山弥左衛門作。
この花瓶で好きなとこはやっぱりここ。
鬼(たぶん)!
ちょっと弱っているようにも見えます。
この大花瓶、胴の部分におとぎ話の場面が彫られているのだそうです。
詳しく知りたい方はトーハクのブログがおすすめ。
好きなものを載せていたら、立体のものばかりになってしまいました。
おまけ
こちらは18室でなく13室の陶磁コーナーに展示されていたのですが、表情が素敵すぎて思わず写真を撮りました。
勝手な妄想ですが「あんた、隠しとることあるじゃろ?」とか言いだしそうなお顔。
なにもかも見透かされていそう。
訪れる度にお気に入りが増えるので、トーハク通いをやめられません。
――――――――――
トーハクの別記事
現在、平成館にて特別展開催中です。
常設展(総合文化展)の仏像の記事はこちら
【上野】東京国立博物館 - 仏像スポットは本館1階11室
東京国立博物館はいつでもすごい
上野にある東京国立博物館(以下、トーハク)は、期間限定で開催される特別展でしばしば話題にあがります。
ちなみに現在は平成館にて「大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」を開催中。
特別展もすごいですが、常設の総合文化展もかなり見ごたえがあるのです。
じっくり見学していたら、とても一日ではまわりきれません。
なにせ、本館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館、黒田記念館…と見学施設がいくつもある(※表慶館は非公開のことが多いです)。
トーハクについて
トーハクのメインとなる本館。
日本美術を包括的に知るならまずは本館へ。
本館は外国人観光客の方がたくさんおられ、それなりに混雑しています(とはいえ、見学するのに困るほどではない)。
ミュージアムショップも本館にあるのですが、外国人観光客の方が目を輝かせてお土産を選んでいるのを見かけるとなんだかうれしくなるものです。
個人的に好きなのは、東洋館。
アジアの仏像(石仏など)が多数展示されています。
ほんのり暗くて独特の雰囲気があり、無性に落ち着きます。
平日などは自分以外のお客さんが数名だけいらっしゃる程度のことも。
混雑が苦手な方や、ゆっくり楽しみたい方はぜひ。
仏像好きにおすすめな展示
彫刻や仏像好きの方におすすめなのは、本館1階の11室(彫刻)。
本館に入ってすぐ右手にある部屋です。
もちろん順路に従って、2階の第1室から見学するのもよいですが、時間が限られているときなどは11室に直行すると効率的です。
展示される仏像はたまに入れ替わるので、それも楽しみ。
しかも、写真を撮れる仏像もあります(撮影禁止のマークがあるものは不可)。
先日訪れたときの顔ぶれ(抜粋)
2018年5月時点のものです。
こちらの毘沙門天、目がクリッとしています。
踏まれている邪鬼も、毘沙門天の膝のところにいる獅子も、揃いも揃ってどんぐりまなこ。
彫った仏師の方が、どんぐりまなこ好きだったのでしょうか。
四天王って結構厳しいお顔の方が多いので、珍しいような。
こう言ってはアレですが、かわいいですね。
ちなみに、膝の獅子をモデルに描いた絵を、本ブログのアイコンに設定しています。
さてさて、最大の見どころを。
11室の奥のスペース(12室側)はステージのようになっていて、豪華です。
仏像にあまり興味がなさそうな方も思わず足を止めて写真を撮っておられます。
外国人の方が小声で「ワァオ~」と感嘆の声を漏らすことも。
いやー、美しい。
四天王が少し暗くなってしまったので、追加。
以前訪れたときは、このスペースには十二神将が展示されていました。
十二神将も見ごたえがあって素晴らしかったのですが、今回展示が変わって「おおっ」と嬉しくなりました。
※2018年10月追記
現在はこのスペースには、十一面観音立像が2軀、展示されています(撮影禁止のため写真はなし)。
トーハクのHPによると、「ジャンルや素材によって4~8週間ごとに展示替えを行っている」とのこと。
仏像コーナーは展示替えが大変だと思うので頻度は高くないでしょうが、次に行ったときに何が見られるか楽しみです。
トーハクのHPにも仏像好きにおすすめのコースが載っていました。
こちらは150分かけてまわる本格コースです。
トーハクについては、こちらの記事もどうぞ。
現在、平成館にて特別展も開催中です。
【京都】東本願寺 ーお堂の巨大さに圧倒される
京都駅からアクセス良好の東本願寺
京都駅にて、新幹線の時間まで一時間くらいあったので、東本願寺に寄りました。
京都駅を出て、京都タワーを通り過ぎて、まっすぐ歩くこと6~7分。
なんといってもアクセス良好。
しかも、お堂は無料で見学できます。
阿弥陀堂
阿弥陀門をくぐると正面に見えるのが阿弥陀堂。
写真だと伝わりにくいのですが、とにかく大きい。
入口で靴を脱いで、ビニール袋に入れて持ち歩く観光スタイルです。
ベビーカーや大きなトランク類は置く場所がありました(鍵もかけられる)。
こういう心遣いはありがたいですね。
私はボストンバッグでしたが、重くて疲れていた(少しの時間だから持ち歩きで大丈夫だろうとロッカーに預けなかった)ので、ここに置かせてもらいました。
おかげで身軽な状態で楽しめました。
お堂内部も巨大な空間です。
天井が高いので、広いというより、巨大な空間、と表現するのがしっくりきます。
内部には警備員の方も常駐しており、さすが観光地、という感じ。
お堂の畳に座って、仏画や欄間の彫刻を楽しみました。
阿弥陀堂と御影堂間にある展示物
阿弥陀堂から御影堂に移動する通路には、毛綱(けづな)や大橇(おおぞり)が展示されています。
毛綱とは、毛髪と麻を撚り合わせて編まれたもの。
大きな木材を運ぶ際に丈夫な綱が必要だったのだそうです。
ちょっと写真がイマイチですが、通行人の方の影と比べると太さなんかもおわかりいただけるかと思います。
髪の毛って強いんだなぁ…としみじみ思ったのでした。
ちなみにこの通路から門側を見るとこんな景色です。
きれいですね。
御影堂
御影堂内部は阿弥陀堂とだいたい似たような感じでした。
御影堂から観る御影堂門もいいです。
写真手前の影の大きさが御影堂の大きさを物語っています。
おわりに
東本願寺の見どころはお堂の巨大さだと思います。
仏像などは(公開されているところにはほとんど)ないので、建造物や空間を楽しむ感じになります。
この迫力は一見の価値ありです。
―――――――――
京都駅から徒歩で行ける東寺の記事もどうぞ。
【奈良】入江泰吉記念 奈良市写真美術館 ―新薬師寺のすぐ近く、美しい館内でほっと一息
新薬師寺の近くには入江泰吉記念奈良市写真美術館があります。
せっかくなので寄ってみました。
入江泰吉さんは奈良出身の写真家。
奈良の風景やお寺、仏像などの写真で有名です。
入江さんが奈良市に全作品を寄贈したことからオープンに至ったそうです。
訪問時は『古都奈良の文化財 東大寺・春日大社・春日山原始林』の展示をやっていました。
おなじみの東大寺や春日大社ですが、春夏秋冬、いろんな表情を見せてくれます。
もやがかかったようなシーンを切り取るのが得意な方という印象を受けました。
入江泰吉カレンダー2018 奈良大和路 春夏秋冬 ([カレンダー])
- 作者: 入江泰吉
- 出版社/メーカー: 光村推古書院
- 発売日: 2017/10/02
- メディア: カレンダー
- この商品を含むブログを見る
上田義彦さんの『FOREST 印象と記憶 1989-2017』も同時開催です。
こちらは森の中の木々の写真。
ドライに言ってしまえば木々が映っているだけなのですが、それが不思議と絵になるのですよね(それがプロたるゆえんなのでしょう)。
クィノルトなる森の写真はとくに美しかった。
自然の緑の中に、ちょっと青みがかった緑が映えていました。
館内にカフェも併設されていますので、新薬師寺観光で疲れたときなどにも良さそうです。
何より、建物がきれい。
一階ロビーの椅子に座って空間自体を楽しみました。
――――――――――
写真美術館の近くには新薬師寺があります。
あわせてどうぞ。
shishi-report03.hatenablog.com