【奈良】頭塔 ―奈良時代の和製ピラミッド!?を独り占め
あまり知られていないけれど、見応えがある。
そんな場所が大好きです。
旅行の際は、有名どころももちろん行きますが、「そこまで有名じゃないらしいけどなんかよさそう」なところにも必ず足を運びます。
最近良かったところは奈良の「頭塔」。
東大寺から南に約950メートル、新薬師寺からは西北西約700メートルのところにあります。
近鉄奈良駅から歩いても25分くらいという好立地。
歩くのがしんどい方はバスで破石町(わりいしちょう)まで行けば、そこからすぐです。
数年前まで見学に予約が必要でしたが、現在は予約不要。
ホテルウェルネス飛鳥路さんのフロントに寄って、頭塔を見学したい旨を伝え、300円を支払うと見学できます。
さて、見学料を支払ったらホテルウェルネス飛鳥路さんの駐車場へまわります。
するともう現れる!
住宅街を歩いて、フロントに寄って、駐車場……という想定内の景色から、一気に不思議な世界へと変わります。
右側に頭塔への入口があり、見学デッキ、見学小広場につながっています。
見学小広場には説明パネルやベンチもありますので、少し休憩するのにもいいかもしれません(屋根もあります)。
私は興奮してしまって、休憩どころではありませんでしたが。
北側にある見学小広場から頭塔を見上げます。
ななな、なんですかこれは。
ということで、頭塔の説明を。
お坊さんの頭を埋めたお墓、という伝説があるそうですが、本来の「土塔(どとう)」がなまって「(頭塔)ずとう」になったのではないかということです。
役割としては仏塔(仏さまの骨を納める塔)のようです。
(頭塔パンフレット参照)
ざっくり言ってしまえば五重塔の親戚みたいなものでしょうか。
頭塔を囲むように見学デッキが設置されていますので、東西南北、すべての方向から見学することができます。
庇の下には石仏が配置されています。
南側に回ってみると、景色は一変。
森のごとく木々が生い茂っています。
案内板もあるので、本来はこちらが正面なのでしょうね。
どうして南側だけ木々が生えている状態かといいますと、北半分を復元、南半分を現状保存しているから。
復元前は以下のような感じだそうで。
北東側にも木々が生えていました。
半分だけ復元って、なんかいいな、と思いました。
全部復元したほうが見栄えは良くなるのかもしれませんが、古いものをそのまま見たいという気持ちもある。
両方見られて得した気分です。
さて、東側に回ります。
復元していない箇所は、(たぶん)崩れないように木の囲いがしてあります。
復元とはいえ、この石積みの感じ、素敵です。
あまりに美しいし、他に誰もいないし、居心地がよすぎる。
頭塔の周りをぐるぐるぐる何周もしてしまいました。
私は一時間弱滞在しましたが、さらっと観るなら十分程度でも充分だと思います。
奈良の観光スポットはけっこう観たよ、という方、頭塔もおすすめです。
とはいえ、あまり有名になりすぎないでほしい気持ちもあったりして。
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頭塔からは元興寺と新薬師寺が比較的近いです。