【奈良】藤ノ木古墳・斑鳩文化財センター ―法隆寺近くにある未盗掘で発見された古墳
奈良の古墳といえば石舞台や高松塚が有名。
少し地味ですが、藤ノ木古墳もあります。
奈良はお寺や仏像がたくさんあって大好きなのですが、そればかりだと単調になってくるので、気分転換に古墳に挑戦してみました。
法隆寺の西大門を出て、西里のまちなみを見学しつつ西へ。
なかなか風情がありますね。
法隆寺の修復等に関わる棟梁の方たちが代々お住まいなんだとか。
どうりで建物が素敵だと思いました。
藤ノ木古墳
少し広い道路に出たら左折。
すると藤ノ木古墳が現れます。
住宅街に突然出現する感じが古都らしくていいですね。
近づいていきます。
古墳の周りをまわってみると、窓のついたドアがあり、中を覗けるようになっています。
人感センサーになっていて、人が近づくと内部のライトが点くと書いてあったのですが、なぜか点きませんでした……。
ドアの窓にへばりついて、必死で内部を覗き見たところ、奥のほうに一応石棺らしきものを確認できました。
付近に設置された説明パネルによると、下の写真の左のような羨道があって、その奥に右のような石棺が置かれているそうです。
特別公開の日は内部まで見学可能らしいです。
もっと詳しく知るために、近くにある斑鳩文化財センターに移動しました。
斑鳩文化財センター
藤ノ木古墳から徒歩で数分です。
古墳好きの友人におすすめされて行ったのですが、こんなにきれいで新しい建物とは!
外に石棺のレプリカも置かれていました。
真っ赤!
ご遺体を収める棺たというのに、なぜこんな派手な色なのだろう、と首を傾げましたが、赤は魔除けの色なのだそうです。なるほど。
神社の鳥居なんかも赤ですからね。
建物の中に入るとすぐ、スタッフの方が声をかけてくださいました。
まずは藤ノ木古墳の説明ビデオを見せてもらうことに。
シアタールーム的なところがとても立派。
20~30人は余裕で座れると思うのですが、他にお客さんはおらず、独占状態でした。
藤ノ木古墳の特徴といえば、「未盗掘」で発見されたこと。
たいていの古墳というものは、盗賊に荒らされ、貴金属類は持ち出されてしまっています。
しかし、藤ノ木古墳は埋葬当時のままだったため、学術的にも大変貴重なのだそう。
ビデオでは発掘に関わった方々が当時の思い出などを語っておられました。
ものすごく楽しそうにお話しされている方がいて、ちょっとうらやましくなりました。こんなに楽しく仕事できたらいいよなあ、と。
全体的な感想としては、知識がない私には少々難しかったかも。
空調もきいているし、暗いし、後半は寝ないように気をつけていました(汗)。
ビデオ上映後はスタッフの方が展示を見ながら説明してくれます。
館内にも石棺のレプリカがあり、発掘当時の状況が再現されていました。
覚えていることをいくつか。
・石棺には二人の男性が葬られていた。
・一人は20~25歳くらい、身長165センチくらい、身分の高い人と思われる。足の骨に脱臼?のあとがあり、足をひきずっていたと推察。骨がけっこう残っていて、DNAもわかる。B型。
・もう一人は25~40歳くらい。上の人に寄り添うような感じで葬られていた。上の人よりは少し身分が低そう。
・刀、靴、髪飾り的なもの、宝飾品などが入れられていた。
・棺を開けたときは泥水が張っている状態。泥水を抜いてから調査した。
他にもいろいろ説明してもらったと思うのですが、忘れてしまったのと、知識不足であやふや。
石棺(レプリカ)を見た後は、各副葬品(こちらもレプリカ。本物は橿原)を見ていきます。
馬具やら鏡やら須恵器・土師器など。
副葬品を眺めていると、いかに豪華なお葬式であったかがよくわかりました。
ここでもいろいろ説明していただいたのですが、歴史用語についてゆけず、半分も理解できているかは怪しい……が、それでも、説明してもらって良かったと思っています。
自分で見学するだけだと「ふうん。へえ」程度で、すぐに忘却の彼方だろうと思うので。
歴史に興味のあるほうではなかったけれど、改めて勉強するのはおもしろいですね。
お手洗いをお借りし、斑鳩の観光案内パンフレットもいただき、スタッフの方に御礼を言って、文化財センターをあとにしました。
ここから法隆寺駅に戻られる方は、斑鳩町役場前からバスに乗るとよいです。
ただし、事前にバスの時刻は要チェックです。
私はタイミングが悪く、バスを30分も待つのが億劫だったので、法隆寺駅まで歩いて戻りました。
法隆寺→中宮寺→藤ノ木古墳→斑鳩文化財センターと回っていたので、ものすごく疲れました(すでに20000歩を超えていました)。
天気がよい日なら、自転車が最も便利だと思います。