【奈良】元興寺 ー今も活躍する飛鳥時代の瓦・隠れ鬼を探そう
雨上がりのしっとりした空気の中を歩き、元興寺へ。
北門側に着いてしまったので、通路を通って受付のある東門側へ。
拝観料500円を支払い、境内に入ります。
極楽堂
シンプルな建物ですが、美しい。
靴を脱いで上がると、鼻をくすぐるお香の匂い。
雨上がりの朝という天候も手伝ってか、ものすごく静謐な気持ちになりました。
本尊は智光曼荼羅(極楽浄土図)の中の阿弥陀如来だそうです。
法輪館
仏像たちはここに集められていました。
下記は元興寺HPの写真を印刷し、旅ノートに貼ったものです。
記憶が曖昧&紙面の都合上、配置は目安としてお考えください。
ショーケースに入れられていない仏像もあり、わりと至近距離で観ることができました。
混雑していないのでゆっくり眺められます。
仏足石・浮図田、たまに鬼
法輪館の手前にある仏足石と浮図田も見ものです。
中央付近の灰色の石板に仏の足跡が描かれています。
仏足石に隠れるようにして頭を抱えているのは鬼さん!?
(歴史あるお寺でこんなことを言うのはアレですが)なんとシュールな。
憎めない。
こういう感じ、嫌いじゃないです。
いや、むしろ鬼、好きです。
こちらは浮図田。
写真からもわかる通り、浮図田とは、仏像や仏塔などが並んでいる場所、とのことです。
一つひとつは大きいものではありませんが、これだけ並んでいると迫力あります。
仏像や仏塔に限らず、「同じものが整然と並んでいる」という状況は、それだけで独特な雰囲気が醸し出されますね。
はっ! またも鬼さん発見!
さりげなーく居る感じ、よーく見ないとわからない感じ、この感じ…以前にも感じたことがあるような、ないような。
そうだ、隠れミッキー的なのだ、と気づきました(隠れミッキーよりは隠れていませんが…)。
調べてみたところ、私が見かけた鬼のほかに、少なくともあと二体の鬼がいるらしいことがわかりました。
というのも、元興寺には鬼伝説というものがあるのですね。
その昔、元興寺の鐘楼に悪霊の変化である鬼が出て、都の人たちを随分こわがらせたことがあります。その頃、尾張国から雷の申し子である大力の童子が入寺し、この鬼の毛髪をはぎとって退治したという有名な説話があります。この話から、邪悪な鬼を退治する雷を神格化して、八雷神とか元興神と称することになり、鬼のような姿で表現するようになりました。元興寺にまつわる鬼のことをガゴゼとかガゴジとかガンゴなどの発音で呼ばれ、日本全国にも伝わっているようです。
(元興寺HPより引用)
元興寺では隠れ邪鬼を探すのも一つの楽しみ、といえそうです。
古瓦
このあたりから極楽堂の方を見るとこんな景色。
極楽堂の屋根を見ると、色味が少し不揃いな感じがします。
というのも、飛鳥時代からの古瓦が現役で使用されているのです!
修理の際に使用可能な古瓦を集めて、使用しているとのこと。
ものすごく手間がかかっていますね。
北側にまわって、こちらは禅室。
国宝です。
極楽堂の横にはかえる石も。
元興寺、意外と盛りだくさんでした。
空いているし、気持ちを落ち着けるにはもってこいの場所です。
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元興寺からは少し歩きますが、新薬師寺の仏像も見ごたえあり。